穴を掘れば、土が出る。
穴を埋めるには、土がいる。
穴を掘ったら、掘った土で穴を埋めればいい。
―と、こう考えるのが普通ですよね? でも、この「普通」が、じつは大変難しい場合があるそうで。しかも地面を掘ったときに出てくる土の仲間には「デード・デースイ」なる、水もしたたる「困ったさん」がいて・・・
そもそも、ノザキコーギョーさんって、ナニ屋さんなんですか?
私たち野崎興業株式会社は、地面を掘った際に出てくる土、とくに「ドロ」や「ドロ水」を取り扱っています。いわゆる「泥土・泥水(でいど・でいすい)」と呼ばれるものです。この泥土・泥水を、東京、埼玉、千葉、神奈川、茨城、群馬、山梨、長野の各建設現場や工事現場などから集め、当社の中間処理場「ECO リサイクルセンター」のプラントで再資源化し、再び現場などで埋め戻しに使える改良土にして販売しています。
簡単にまとめると、現場から発生するドロやドロ水を集め、改良土に再生して現場に戻す、言わば「土のリサイクル屋さん」ですね。
ふむふむ、それで、その「土のリサイクル」という点について、モー少し詳しく・・・
それは「掘った土」を使えばイーんじゃないですか?
というと?
どろどろ、びちゃびちゃな、デード・デースイがキモに・・・うーん、どんなふーにダロ?
え!? ゴミとして捨てられちゃうんですか???
扱いきれない「困ったさん」だからって・・・そんな・・・
あ、はい、いや、「昔は」です。かつてはそうでした。そういう扱いがほとんどでした。でも、多くのゴミ問題と同じように、最終処分場の「あき」容量が残りわずかになってしまってから既に久しい現在では、泥土・泥水も「大切な資源」としてムダにせず、再資源化・再利用の方法をさぐるのがもはやメジャーな動向になっているんです。
ナンダ、ヨカッタ! 困ったさんも大切に! みたいなカンジですか?
そうです、確かに「全部」とは言い切れませんが、出来うる限り、捨てない方向を採ろうと、そういう姿勢が現在では主流になってきています。・・・ただ、泥土・泥水という、水浸しになった土を「使える」土に還すには、それなりのコストがかかりますし、高い技術も要求されてくるんです。
あー、なるほど。お金もかかるし、技術もないし、だったら「捨てちゃったほーがラク!」・・・だったんですね、昔は。
その課題、クリアしたんですか、今は?
時代そのものがまだ始まったばかりなので、社会全体としては容易に「はい」とは言い切りがたいのが実情ですが、課題を乗り越えようと、いち早く「泥土・泥水の再資源化」に取り組んだ一例が当社のエコリサイクルプラントです。
プラントフローをご覧いただければ、その最初に「泥土・泥水」が置いてありますが、水浸しで使えなくなった泥土・泥水から、まずは脱水機で水分を抜きます。そしてその後、各工程を順次経ることで、最終的には地面の埋め戻しにも使える「粒の整った」改良土の姿にまで土を戻してやります。
オノガサダメに泣き崩れていたデード・デースイさんが・・・プラントパワーで涙をぬぐって変身! シャキーン!・・・みたいな?
変身シャキーン!は、イイですね。(笑)しかもさらに言うと、埋め戻しに使った後で地中の水分を吸って、土がまた「泣き崩れ」てしまうのは困るわけです。そうならないためにも品質の維持・管理が大切になってきます。
はぅ、「生まれ変わったこの姿・・・」まさに闘う者のシメーですね!
デード・デースイさん改め、カイリョードさん、カッコイイ!
はわゎ~、ただ水を抜けばイイって話じゃないんですね・・・
なるほど~、「モ」が生んだ「ダブル」がキモだったんですね。
「土のリサイクル」「土だって大切な資源です。」は、ワザでつないだ「二つの輪っか」だったんですね!
ええ、そうです! そうなんです!
ちなみに、泥土・泥水を脱水した際に出てくる水ですが、これも自社ダンプの洗車に使うなど、有効活用や再利用の道をさぐっているんですよ。
おお、第三の「輪っか」がそこに!
工事現場や建設現場で地面を掘った際に出てくる土やデード・デースイ(泥土・泥水)を、再び現場などの埋め戻しに使えるように再資源化する。―これが「土のリサイクル」です。
確かに「土」は、水や空気や緑、あるいは石油や天然ガスのように、常に注目を浴びるホットな資源たちと違い、話題として取り上げられることは少ないかもしれません。でも、土だって資源です。泥土・泥水だって大切な資源なんです。
私たちの日々の暮らしを、私たちの足の下で常に支え続けてくれる、土は、まさに「縁の下の力持ち」です。他の資源と同じように、必要カクベカラザル「大切な存在」であることに違いはありません。
地面に穴を掘ったら、掘った土で穴を埋めればいい。とはいえ、穴を掘ったときに出た土で穴を埋め戻して、さらに元の固さに戻すには、じつは高い技術と工夫が求められてくるのです。(そしてそれなりのコストも。)
しかしその「難しさ」から、かつては、掘り出されてそのままでは使えなくなってしまった土の多くが再利用されることなく「産業廃棄物」として「最終処分場」に運ばれていきました。つまり、掘り出された土の多くが「ゴミ」として捨てられていたのです。
掘った土はゴミに出し、掘った穴を埋めるには、新しい土を山から削って持ってくる。すなわち、穴を掘れば掘るだけ、山は削られ、「ゴミ」は増えてゆく。・・・こうしたワンウエイ(一方通行)な状況が工事現場や建設現場を取り巻くかつての姿でした。
しかし、かつてのそうした姿は、最終処分場の残り容量がわずかとなり、また自然環境への配慮が当然となった今、もう許されてはいません。土だって、大切な資源です。「ゴミ」を出さず、山を削らず、掘り出した土はその再資源化・再利用の道を探って工夫する。こうした「土のリサイクル」が今、求められて久しいのです。
原始、穴掘りは人間生活の基盤の一つでした。そしてそれは今もそうです。私たちの日々の暮らしは、穴を掘って、穴を埋める、その繰り返しの上に築かれ、整備されてきた地盤の上に成り立っています。
そして、街が生きていれば、必ずどこかで穴は掘られます。
穴を掘れば、土が出る。
穴を埋めるには、土がいる。
穴を掘ったら、掘った土で穴を埋め、しかも元の固さに戻す。
しかも、水浸しの泥土・泥水も再資源化・再利用への道を切り拓く。
こうした困難に正面から取り組み、その円環を成すための技術や設備の拡充が喫緊の課題として模索され続けている現在、穴を掘ったら、掘った土で穴を埋める「土のリサイクル」は、今ようやくスタンダードになりつつあります。
私たち野崎興業株式会社は、
建設現場などから発生する無機汚泥の収集運搬と中間処理、
そして高品質な改良土の製造・販売を通じて、
地球に優しい循環型社会の実現を目指しています。